社内ナレッジベースに LLM API をつなぐのに必要な値は 3 つだけです。RAGFlow または Dify で「OpenAI 互換」タイプのモデルプロバイダーを追加し、Base URL に https://api.hop-base.com/v1、API キーに HopBase のキー、モデル名に GET /v1/models が返す ID をそのまま入れます。1 本のキーに複数のグループを付ければ、DeepSeek・GPT・GLM・Kimi・Qwen・Gemini を同じナレッジベースで使い分けられます。Claude だけは Anthropic タイプで設定します。Embedding は今のプロバイダーをそのまま使います。ナレッジベースのアプリごとに上限付きのキーを発行すれば、コストをアプリ単位で切り分けられます。
前提:HopBase は RAGFlow / Dify の組み込みプロバイダーではありません
現時点で RAGFlow と Dify のプロバイダー一覧に HopBase という項目はありません。本記事では両者が備える汎用の接続方法、つまり OpenAI 互換 API を使います。画面の名称はバージョンで変わるため、以下ではメニュー名ではなく入力項目で説明します。
ステップ 1:キーを作成し、モデル ID を確認する
- コンソールでキーを作成し、ナレッジベースで使うグループを選びます(1 本あたり 1〜10 グループ)。キーはそのグループのモデルしか呼び出せません。
- キーに利用上限と有効期限を設定し、必要なら IP リスト(RAGFlow / Dify サーバーの送信元 IP)を追加します。
- このキーで利用可能なモデルを取得し、返ってきた ID をそのままコピーします。手入力やサフィックスの付け外しはしないでください。
curl https://api.hop-base.com/v1/models \
-H "Authorization: Bearer sk-your-key"
モデル名の誤り、またはキーのグループ外のモデルは 404 model_not_found になります。
ステップ 2:RAGFlow の設定
- ユーザー設定内のモデルプロバイダー(Model providers)画面を開きます。
- OpenAI 互換タイプのプロバイダーを選び、インスタンスを作成します。
- Base URL に
https://api.hop-base.com/v1(/v1付き)、API Key にsk-your-keyを入力します。 - モデルを追加します。モデル名は
/v1/modelsの ID、種別は chat。画像入力に対応するモデルだけビジョン系の種別を選びます。 - ツール呼び出しはモデルが対応している場合のみ有効にし、各モデルを検証してから保存します。
- デフォルトモデル設定で、既定のチャットモデルを追加したモデルに向けます。RAGFlow は既定の Embedding モデルも必須ですが、こちらは既存のプロバイダーのままにします。
ステップ 3:Dify の設定
- ワークスペースのオーナーまたは管理者がモデルプロバイダー管理画面を開き、OpenAI 互換タイプのプロバイダープラグインをインストールします。
- モデルを追加します。モデル名は完全な ID、API キーは
sk-your-key、API エンドポイントはhttps://api.hop-base.com/v1。 - コンテキスト長はモデル仕様に合わせて入力し、画像対応モデルのときだけビジョン対応をオンにします。
- 保存後、ナレッジベースアプリやワークフローの LLM ノードでそのモデルを選びます。
Claude を使う場合
Claude は Anthropic Messages プロトコル(/v1/messages)でのみ提供しており、OpenAI 互換タイプで呼ぶと 404 になります。Anthropic タイプのプロバイダーを使い、Base URL は https://api.hop-base.com(/v1 は付けない)、キーは Claude グループを含むものを指定します。お使いのバージョンの Anthropic 設定画面に Base URL の入力欄がない場合、そのバージョンでは HopBase 経由で Claude を使えません。その間は GPT や DeepSeek を OpenAI 互換タイプで使ってください。
役割ごとのモデル選び
| 役割 | モデル ID の例(/v1/models で確認) | 注意点 |
|---|---|---|
| 日常の質問応答 | deepseek-v4.1-flash、qwen3.8-flash、gpt-6-luna | 低コストで、検索型 QA の大量処理向き |
| 高度な推論・要約 | gpt-6-sol、qwen3.8-max、Claude(Anthropic タイプ) | 品質が重要なアプリに限定して使う |
| 長文書(契約書全文、マニュアル) | kimi-k3、glm-5.3-flash、deepseek-v4.1-flash | いずれも約 1M コンテキスト。kimi-k3 の出力上限は 32,768 トークン |
| 画像・スキャン文書の理解 | glm-5.3-flash、deepseek-v4.1-flash | 画像 URL と base64 の両方に対応 |
| 画像(base64 のみ) | kimi-k3 | base64 画像のみ対応。画像 URL は 400 |
ビジョン設定は画像対応モデルだけでオンにしてください。たとえば deepseek-v4-pro-202606 は画像を受け付けず、画像付きリクエストはモデルに届く前に 400 となり、課金されません。
Embedding と Rerank:既存のプロバイダーを継続
HopBase の公開モデルカタログに Embedding モデルは含まれていません。ベクトル化とリランクは今のプロバイダーを使い続けてください。Embedding モデルを変えると通常は再インデックスが必要ですが、チャットモデルの変更は不要です。チャット側だけを HopBase に寄せれば、既存のベクトルに触れずにモデルを入れ替えられます。
ナレッジベースアプリごとに 1 本のキー、コストもアプリ単位で
- 1 アプリ 1 キー:サポート用、法務用、開発ドキュメント用にそれぞれキーを発行。漏えいや暴走が起きても止めるのは 1 本だけです。
- キーの上限:上限に達したキーのリクエストは処理前に拒否されます(HTTP 402
insufficient_quota)。1 つのアプリが全体予算を使い切ることはありません。 - 部署への割り当て:メンバーに紐づかないキーは部署に直接割り当てられ、部署単位の上限は締め日(毎月 1〜28 日から指定)に一斉にリセットされます。
- エクスポートと照合:利用状況画面でキーや部署で絞り込み CSV を出力。各行で「公式コスト × 割引 ÷ 為替レート = 実請求額」を再計算できます。失敗したリクエストは課金されません。
モデルごとのパラメータの違い(Kimi K3 の include_reasoning など)はOpenAI 互換キー 1 本で中国系モデルを使うを、Base URL のルールはBase URL ドキュメントを、クライアントの入力項目はサードパーティクライアントを参照してください。
よくある質問
RAGFlow でモデルを追加すると 404 が出るのはなぜ?
3 点を確認してください。モデル名が /v1/models と完全一致しているか、Base URL が /v1 で終わっているか、Claude を OpenAI 互換タイプに入れていないか(Claude は Anthropic タイプで /v1 なし)。
Dify で Claude・GPT・DeepSeek を同時に使えますか?
使えます。1 本のキーに該当グループを付け、GPT と DeepSeek は OpenAI 互換タイプ、Claude は Anthropic タイプで登録し、両方に同じキーを入れます。
ナレッジベースのデータが学習に使われることはありますか?
ありません。プロンプトと出力はリクエストの処理にのみ使い、業務データとして保持せず、学習にも使いません。請求用のメタデータは請求書と監査のために保持します。通信はすべて TLS です。